麻生邸リアリティー事件国家賠償請求訴訟の今 2014/11/14

麻生邸リアリティー事件国家賠償請求訴訟が佳境に差し掛かっている。
2014年9月30日の「判決」期日は、谷口ら東京地裁民事第6部合議A係に忌避を申し立てたことにより、訴訟手続きは一旦停止した。しかし、12部合議B係の判断は一週間余りでなされ10月8日に不当にも却下された。
その理由があまりにも露骨なので、全文引用すると「申立人らは、結局のところ、裁判所による証拠の採否や裁判長の訴訟指揮権の行使に対する不服あるいは不満を申し立てるものにすぎず、その他一件記録を精査せいても当該裁判官らのいずれにも民訴法24条1項所定の事由があると認めることはできない」という。
こんなふざけた理由があるか!極端に偏頗な訴訟指揮がなされる場合には忌避事由に該当する、というのが学説であり、裁判官の訴訟指揮権は不可侵ではない。そもそも、最終弁論の機会を与えない訴訟指揮を「他の裁判でも常にそうしている」と公言して憚らない裁判官の資質、公正さを問題としているのである。交代したばかりのほとんど審理に立ち会っていない裁判長に何がわかるのか、裁判所はその権力追従的体質を露わにしている。この決定を不服として、即時抗告を申し立てたが、高裁は10月 13日に棄却した。
提訴から4年あまり、裁判官の交代もいくつかあった。裁判長は志田原信三から谷口園恵へ、左陪席は何度か代わり、右陪席の宮崎謙だけが一貫して本件に立ち会っているが、宮崎の仕事は傍聴席を監視することであった。
民事第6部では現在最長の事件かもしれない。ゆえに、部内ではできるだけ早く「処理」すべき事件として扱われているのだろう。
だとしても、谷口園恵の強権的な訴訟指揮は常軌を逸している。しかし、このような不良判事を告発し排除する手段はあまりにも少ない。なかでも弾劾裁判は、直接の訴追はできないものの、裁判官訴追委員会への訴追請求権は誰しもが持つ。しかし、2011~2013年の間に裁判官訴追委員会が受理した件数は約18000件、請求者の人数は約90万人、しかし訴追された裁判官はたったの9名である。
そもそも国家権力そのものである裁判所に期待すること自体が間違いである、という意見はよく聞く。しかし、やむを得ず敵の土俵で戦わなければならないときがあるのだ。
そのような意味で、停止した9月判決期日の直前に開催した集会で講演していただいた吉永弁護士(『崩壊している司法』著者、横浜事件再審弁護団、砂川事件再審弁護団)の話を忘れずに胸に刻んでおきたい。役人は自ら仕事を作り出すものであり、そのような構造を基盤とした官僚制は司法も無縁ではない、権威によって神話化されている司法の実態は市井の感覚を離れた悲惨なものであり(瀬木比呂志『絶望の裁判所』も併読されたい)、まさに司法の民主化が急務なのである。
ともあれ、原告・弁護団・事務局は、不当判決を許さず、公安条例廃絶まで闘う所存である。

(国賠ネットワーク通信第150号(2014/11/15刊)へ掲載できず、最新情報として本欄に投稿します)

 

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