2/23富山(氷見)冤罪国賠第8回口頭弁論

2月23日(水)11:00~ 富山地裁 1号法廷

証拠開示の攻防-裁判所が開示勧告
提訴(2009年5月14日)以来、口頭弁論はこれまで7回行われた。この間、証拠開示の攻防戦が続いた。氷見事件は服役後、検察自らが再審請求を行い無罪が確定した特異な事件。無罪確定後、最高検は同事件についての報告書を公表、「検証」の必要性を説いていた。原告・弁護団は「検証」をいうなら「公判記録、及び全捜査記録」は必要不可欠、その全面開示を求めてきた。被告側はこれに抵抗、開示したのは供述調書など一部のみであった。これに対し原告・弁護団は裁判所に全記録の送付嘱託の申し立てを行った。これについての裁判所の判断は氷見第1、2事件の原審、再審、真犯人0氏の各公判記録及び捜査記録の開示勧告(第3回、4回口頭弁論)、更に氷見第3事件のO氏公判記録及び捜査記録の開示勧告(第5回口頭弁論)も行った。これは画期的なことだ。特に氷見第3事件(8月)の開示勧告の意味は大きい。第3事件は8月事件とも言われ、原告が公判審理中に起きた同じ手口の事件だ。8月事件の被害者調書、実況検分調書を作成したのは第1,2事件を担当した捜査官らである。この時点で氷見署は同様の手口の「犯行」事件として把握し別に真犯人がいることを“確信”したはずである。捜査の見直し、公訴提起の間違いを認識し“決断”すべき時期の事件でもあった。
裁判所の開示勧告に対して被告側これまた抵抗、提出したのは原審・再審の公判記録と公判未提出の捜査記録の一部のみ、原告・弁護団が要求し裁判所が「勧告」した内容とは程遠く、しかも開示されたものは黒塗りで隠された部分が多すぎ、これではほとんど未開示状態である。原告・弁護団は、恣意的に行われている黒塗りは「証拠として使えない。消すところは必要最低限にしてもらわないと意味がない」「マスキングを見直すべきである」などと強く抗議したが被告はこれまでの姿勢を変えるつもりはないらしい。命令ではなく勧告であり強制力はないというのが被告側の言い分だ。

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