「麻生国賠」第15回期日報告~警視庁は弾圧と家宅捜索を謝罪せよ!
麻生邸リアリティツアー国家賠償請求訴訟 原告 園良太
「麻生国賠」は6月17日に第15回期日を迎え、不当な家宅捜索をされたフリーター全般労働組合の共同代表・山口素明さんが証言に立った。前回から法廷は警備法定に代わり、約30人の参加者は法定前でも不当すぎる厳重な荷物チェックを受けた。法廷中も少しでも声を上げれば排除するために看守が眼を光らせている。こちらが訴えている国賠で警備法廷を使われるなど言語道断であり、東京地裁は今すぐ通常法廷に戻せ!また取り消したままの原告・園の証言を採用せよ!
弾圧は08年10月26日に発生し、フリーター労組には釈放前日の11月5日に家宅捜索が入った。公安側は労組がツアーの連絡先になっていた事を理由にしているだろうが、明らかに嫌がらせ目的である。公安は組合員の情報や団体交渉の書類が入ったパソコンを強奪し、組合は甚大な被害を受けた。絶対に許すことはできない。このため組合は被弾圧者3名とともに原告になっているのだ。
麻生国賠の小竹弁護士がまず山口さんにツアー趣旨から質問した。08年1月、「ピンハネ御殿拝見ツアー」を開催した。「グッドウィル」などの経営者宅を見に行った。それは問題なく実行できた。そして10月の麻生邸ツアーは、「派遣切り」や格差社会が社会問題化し、当時の麻生太郎首相は何代も続く政治家一家の子息で格差の世代間承継の象徴のような存在だった。そこで62億円の豪邸と報道されていた自宅を見るツアーを企画したという事だ。
そして当日。アピールが始まり、山口さんには渋谷署の宇井警部が「打ち合わせしよう」と話しかけてきた。その映像は証拠映像として出され、ネットでも公開されている。「今日はいつものように音楽を流すのか」と聞くので違うと答えると、宇井は「それだけだったら別にいい。歩道で行く分にはいい」と言ってきたのだ。しかしその後、宇井は「本部の方が呼んでいますので」と言われて行き、帰ってきた宇井は「横断幕はダメだ。風船もダメだから下ろせよ。風船と横断幕とあとプラカード、これは一切ダメだから。警告、山口、お前に言っとくぞ」と態度豹変させたのだ。本部が弾圧の方針を予め持って来た事は明白である。
そして仕方なく物を下ろしてツアー出発し、弾圧が発生、山口さんは警察官に、何人やられてるんだ、容疑はなんだと問い質し、救援活動が始まったのだった。
その後11月5日に労組唯一のパソコンが押収された。労働案件についてのデータを入力したり、団体交渉申入書を作ったり、組合員名簿や会計資料の作成に使っていた。組合員の連絡先が一切わからなくなり、押収されたことを連絡することも難しい状態になった。会社と交渉中の案件では、交渉の過程もわからなくなり困ったのだ。
最後に、権力は「届出デモでないのに集団行進した」を弾圧理由にしている。しかし日本のデモ申請は異常に時間がかかり色々口出しされるため、申請書を自ら書いて持参するようにしたと反論した。そして検察側は「あなたが皆をツアーに誘ったんでしょう?」などと「集団性」「計画性」を立証しようとしつこく質問してきたが、山口さんは見事な切り返しでやり返した。
次回期日は10月7日(月)14時~東京地裁429号法廷、ついに最初の不当逮捕を行った公安警察の山口悟が証言に立ちます。まさに山場です、相次ぐ不当逮捕に必ず責任を取らせるために、大集合をお願いします。