新聞クリップ

国賠・冤罪関連 新聞クリップ 読売新聞 2010.7.14-9.7

●無罪男性 国・都を提訴 「自白偏重の違法捜査」

東京都内の地下鉄駅構内で女性を盗撮しようとしたとして、東京都迷惑防止条例違反に問われ、東京高裁で無罪が確定した横浜市内の20歳代男性が13日、「自白偏重の違法な捜査や裁判で精神的な苦痛を受けた」として、国や都に1100万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴した。男性は2008年6月、東京メトロ南北線白金高輪駅構内で、カメラ付き携帯電話を使って、女性のスカート内を盗撮しようとした疑いで警視庁の取り調べを受けた。男性が否認し、略式命令を拒否したことから東京地検が在宅起訴。東京簡裁が昨年3月に罰金30万円の判決を言い渡したが、東京高裁は今年1月、「誘導による供述や捜査官の作文の疑いがあり、自白調書は信用性に欠ける」などとして無罪を言い渡した。男性は、コミュニケーションなどに障害があるアスペルガー症候群と診断されているため、訴状では「警察官は男性の言動から障害に気付くべきで、検察官は捜査の監督や監視を怠った」などと指摘している。(読売7.14)

●窃盗事件 誤認逮捕 「指紋頼み」県警謝罪 拘置21日=茨城

逮捕の決め手になったのは、現場に残されていたレジのトレー部分から検出された指紋だった。事件とはまったく無関係だったことが判明したペルー国籍で神奈川県大和市、イチノセ・メンドサ・アキラ・イスマエルさん(41)は「非常に大きな不安感があった」と21日間の拘置生活を振り返った。横浜市の横浜弁護士会館で開かれた記者会見で、イチノセさんは「身に覚えがないのに強い口調で責められ、自白するように言われた。釈放後も、何もしていないのにまた捕まるのでは、と不安がつきまとう生活だった」と打ち明け、「警察が大きな間違いをしたのは間違いない」と語った。イチノセさんが無実とされたのは4月下旬、被疑者補償を求めたのがきっかけ。補償の申し立てを受け、県警が再捜査した結果、イチノセさんがトレー製造会社に勤務していた際に指紋が付いたとみられることが判明。さらに、千葉県警に別の窃盗事件で逮捕された容疑者が犯行を自供した。この容疑者が犯行を自供していることは、事件を捜査していた牛久署に4月上旬までに伝わっていたが、同署はその情報を県警本部に伝えなかったため、再捜査が遅れ、イチノセさんの無実はすぐに明らかにならなかった。(読売7.16)

●裁判員制度は合憲

女子高生(当時16歳)に対する強制わいせつ致傷罪で起訴された新潟市の元消防士、浅田亨被告(29)の裁判員裁判の判決が23日、新潟地裁であった。山田敏彦裁判長は、弁護側の「裁判員裁判は憲法違反」とする主張を退けたうえで、懲役4年(求刑・懲役5年)を言い渡した。弁護人の高島章弁護士は、公判で「くじで選ばれた裁判員が裁判官と同等の評決権を持つことは、下級裁判所の裁判官任命手続きを定めた憲法80条1項に違反する」と主張。山田裁判長は、「憲法には裁判員制度に関する規定はないが、裁判官以外の者が下級裁判所の構成員となることを、少なくとも排除していない」とする見解を示した。(読売7.24)

● 裁判員 1年で3369人 被告側控訴は3割

昨年5月にスタートした裁判員制度について、最高裁は、今年5月末までの約1年間の実施状況を公表した。この間、全国の地裁・支部で3369人が裁判員に選ばれて審理に参加し、582人の被告に判決が言い渡された。今年5月末までに起訴された1898人の被告のうち、判決言い渡しを受けた人の割合は30・7%。3月末時点での割合より4ポイント高まった。起訴されても裁判が始まらない「滞留」状態はやや改善されたが、公判前整理手続きにかかった期間は平均4・2か月で、3月末時点と変わっていない。否認事件に限ると、平均5・2か月と0・4か月長くなっており、裁判開始までの期間短縮が依然として課題となっている。1審判決を不服として控訴した被告は29・0%に当たる169人で、制度開始前の2008年の裁判員裁判対象事件での控訴率(34・6%)を5・6ポイント下回った。検察側の控訴は5月までは1件もなく、今月に入り、無罪と一部無罪の計2件の判決に対して控訴している。裁判員候補者は5万2206人で、このうち、半数以上の2万7141人が辞退を認められた。各地裁、支部での選任手続きへの出席率は82・6%だった。(読売7.28)

●格闘訓練中の自衛官死亡 遺族、国を賠償提訴 札幌地裁=北海道

札幌市南区の陸上自衛隊真駒内駐屯地で2006年、1等陸士の島袋英吉さん(当時20歳)が格闘訓練中に死亡したのは、訓練に安全配慮が欠けていたのが原因として、沖縄市在住の両親が3日、国を相手取り約9200万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。訴状などによると、島袋さんは同年11月21日、駐屯地の体育館で行われた格闘訓練で、同僚隊員の投げ技を受け後頭部を強打。病院に運ばれたが、翌日、急性硬膜下血腫で死亡した。同僚隊員と指導教官は、業務上過失致死容疑で立件されたが、いずれも不起訴処分になったという。原告側は、「体力や技能などを把握せずに訓練を継続し、危険な訓練が行われることを防止する注意義務に違反した」などと主張。提訴後に記者会見を開いた島袋さんの父勉さん(50)は「自衛隊は事故だと言うが、息子の遺体は顔が腫れ上がっていた。訓練でこれだけのけがを負うとは思えない」と話した。(読売8.4)

●裁判員経験者ネットワーク 弁護士らが設立

全国初の裁判員裁判が開かれて1年を迎えた3日、有志の弁護士らが裁判員経験者に交流の場を提供する市民グループ「裁判員経験者ネットワーク」を発足させた。感想などを語ってもらい、その内容をホームページで公表することで、裁判員の貴重な経験を広く共有しようという試み。同グループを発足させたのは、元最高裁判事の浜田邦夫弁護士ら11人の弁護士と、裁判員裁判の傍聴などを行っている五つの市民団体。水戸地裁で裁判員を務めた高須巌さん(55)ら裁判員経験者3人も参加した。(読売8.4)

●社員の裁判員参加「支障なし」9割 特別休暇も整備大半 100社アンケート

裁判員制度について、読売新聞が国内の主要企業100社を対象にアンケート調査を行ったところ、社員が裁判所で裁判員(補充裁判員を含む)や裁判員候補者を務めたことを把握していた30社のうち、9割の27社が「業務に支障はなかった」と回答した。また、社員が裁判員を務める際の休暇制度を整えている企業は回答企業の9割を超え、職場での仕事の調整など、社員が参加しやすい環境作りが進んでいる実態が浮かんだ。アンケートは7月〜8月に各業種の主要企業に対して実施し、88社から回答を得た。社員が裁判員候補者として裁判員選任手続きに参加した企業は30社(計138人)あり、うち裁判員まで務めた社員がいたのは14社(計26人)だった。裁判員裁判では、裁判員はおおむね3〜4日、裁判員候補者は半日程度、仕事を休むことになるが、業務への支障が「まったくなかった」と回答した企業は13社で、14社が「あまり支障はなかった」とした。「ある程度支障が生じた」と回答した企業は2社で、うち1社の社員は、4日間裁判員を務めたが、うち2日間は職場に戻って深夜まで仕事をしていた。社員が裁判員を務める場合の休暇制度の整備状況は、「裁判員用の特別有給休暇制度を創設した」と答えた企業が43社、「(刑事裁判の証人など)公務に従事する場合の社内規定を適用した」という企業が39社で、回答企業の93%が、年次有給休暇とは別に有給休暇を与える体制をとっていた。ただ、裁判員を務める期間中は給料は払わないとしているメーカーもあった。(読売8.24)

●裁判員裁判 最長40日 強殺、死刑求刑も 鹿児島地裁

鹿児島市で昨年6月、高齢夫婦が殺害された事件で、強盗殺人罪などで起訴された同市三和町、無職白浜政広被告(71)の公判前整理手続きが24日、鹿児島地裁(平島正道裁判長)であった。11月2日に初公判を開き、12月10日に判決を言い渡す公判日程を決めた。裁判員の選任手続きを含めた判決までの日数は40日間に及び、これまでの裁判員裁判で最長。強盗殺人罪の法定刑は死刑または無期懲役で、被害者が複数であることから、検察側が死刑を求刑する可能性がある。一方、白浜被告は一貫して無罪を主張しており、裁判員は重い判断を迫られそうだ。(読売8.25)

●県警 供述吟味担当官を配置 自白の信用性チェック 人材育成課題=山形

県警が社会的影響の強い事件や悪質性の高い事件の捜査で、容疑者の供述と客観的証拠の合理性などを専従で検証していく「供述吟味担当官」を配置していることが25日、県警刑事企画課への取材で分かった。冤罪(えんざい)の防止や、自白の信用性が争点ともなる裁判に向けた捜査の強化が目的という。同課によると、1990年に4歳女児が殺害された「足利事件」で、無罪が確定した菅家利和さん(63)の冤罪を受けた再発防止策の一環で、全国の警察で配置を進めている。県警は捜査本部を設置する重大事件や、社会性のある事件などを対象に、「供述吟味担当官」として主管課の警視か警部といったベテラン捜査員を、難易度に応じて1人〜数人を配置する。対象は公表しないが、県内発生の数件の事件で、既に運用しているという。(読売8.26)

● 刑場初公開 「犯罪 未然に防ぐ効果」 被害者遺族、元裁判員は評価

犯罪被害者の遺族や、裁判員経験者は、死刑執行の「現場」の公開を評価した。「ここで最後の罰を受けるのかと思うと、心臓がどきどきして止まらなかった」。横浜市で1988年に起きた強盗殺人事件で両親を殺害された高松節子さん(63)は、ニュースで刑場の映像を見た感想をそう語った。「重い罪を犯せばこういう所で死刑に処されるのだと示すのは大事。犯罪を未然に防ぐ効果があると思う」と受け止めた。ただ、事件で死刑が確定した男(76)が収容されているのは、今回公開されたのと同じ東京拘置所。これまでは刑の執行を具体的にイメージするのを避けてきた面もあったが、「両親の代わりに見届ける責任がある」と考え、画面を見つめた。今年1月に静岡地裁で開かれた殺人事件の公判で裁判員を務めた20歳代の女性会社員は、「裁判員は判決後に被告がどうなるのかまでは分からない。刑場や刑務所の実態を知った上で審理に臨む方がいいと思う」と、公開を評価した。今回の刑場公開は、死刑制度に反対する団体や弁護士、犯罪被害者支援団体などの間でも賛否がわかれた。死刑廃止を訴える人権擁護団体「アムネスティ日本」の寺中誠事務局長は、「今回の公開によって、死刑の正当性を国民に印象づけてしまう危険性があり、結果的に死刑執行を後押しする可能性もある」と懸念。ただ、同様に死刑廃止などを訴えるNPO法人「監獄人権センター」事務局長の田鎖麻衣子弁護士は、「究極の刑の執行現場が公開されるのは当然」と評価したうえで、「いまだに執行対象の選定基準など、国民に知らされていない情報が多い。そうした情報が公開されなければ、根本的な議論はできない」と指摘した。一方、犯罪被害者団体「全国犯罪被害者の会」幹事の高橋正人弁護士は、「死刑について広く議論するのであれば、本来は刑場公開と同時に、被害者がどれほど悲惨な状況で亡くなったのかも公開するべきだ。死刑囚の『死の現場』をことさら強調すること自体、死刑廃止や執行停止に向けた世論誘導の意図が透けて見える」と話す。元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事訴訟法)の話「公開は刑場の構造だけだが、これまで死刑が秘密のベールに包まれていたことを考えると画期的だ。裁判員裁判で、死刑の実態を知らないままに国民が重い判断を下すのは問題だった。死刑事件にかかわる裁判員には刑場を見せても良いくらいだ。まだ死刑囚がどのような生活をしているかが明らかになっていないが、大きな前進と言える」 菊田幸一・明治大名誉教授(犯罪学)の話「刑場の様子は書籍などでも紹介されており、国民は既に死刑がどのように行われるかを分かっている。公開はあまり意味がなく、千葉法相のパフォーマンスのようにもみえる。死刑制度を考えるうえでは、刑場公開より、独房に入れられ、ほかの死刑囚と会話もできない死刑囚の処遇などを国民に知らせる方が意味がある」(読売8.27)

●「おとり」協力で逮捕 捜査の違法性認定 県に賠償命令 佐賀地裁判決

佐賀県警の「おとり捜査」に協力したのに逮捕されたとして、佐賀市兵庫町の中古自動車販売業原一弘さん(39)が県に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、佐賀地裁であった。野尻純夫裁判長は「自首した者に犯罪を求めたことは許される限度を超える」として捜査の違法性を認定。慰謝料など33万円の賠償を県に命じた。原さんは2007年7月、暴力団幹部から強盗への協力を持ちかけられたが、犯行予定日に佐賀署に行き、強盗計画を告げた。しかし、署員からそのまま計画に加わるように言われ、別の男3人と予定の民家に行って署員らに取り押さえられた。原さんは暴力団幹部らと一緒に強盗予備容疑で逮捕され、20日間の拘置後に不起訴となった。判決で野尻裁判長は「犯意を喪失していた原告に対し、犯罪を作り出させる面があった」と指摘。同署が「強盗目的で民家に行った」などと原さんの逮捕を実名で報道発表したことについても、「誤った内容の発表は警察の裁量権を逸脱し、違法」とした。(読売8.28)

● 刑場公開制約付き 場所限定15分のみ 死刑実態把握に「不十分」

死刑を執行する東京拘置所(東京都葛飾区)の刑場が27日、報道機関に初めて公開されたが、公開時間は15分で、死刑囚がつり下げられるスペースへの立ち入りが認められず、絞首刑に使うロープも公開されないなど多くの制約があった。死刑の実態を理解するには、公開が不十分だという指摘も出ている。

この日は、階上と階下の2階に分かれた東京拘置所の刑場のうち、階上部分への立ち入りが認められた。報道陣が立ち入ったのは、拘置所長が死刑の執行を宣告する「前室」や、首にロープをかけられた死刑囚が階下に落下する踏み板のある「執行室」など。記者への説明会では、死刑囚が「教誨(きょうかい)室」で最後に果物や和菓子を食べられることや、執行の際に死刑囚が暴れた場合は、説得するか、力で押さえつけることも明らかにされた。ただ、死刑囚がつり下げられ、納棺される階下には立ち入りが認められなかった。千葉法相は昨年9月、刑場の公開が可能かを検討するよう指示したが、現場で執行に携わる法務省矯正局側が、「刑場は厳粛で一般への公開になじまない」などと、難色を示した経緯がある。今回の公開でも、階下への立ち入りは「死体を扱う場所に土足で踏み込んでほしくない」、踏み板の開閉は「大きな音がするので、人が出入りする施設ではむやみに音を出したくない」との現場の意見を尊重し、認められなかった。刑場の構造はつまびらかにされたが、死刑囚の生活や精神状態は知ることができず、死刑執行順の不透明さも変わっていない。日本弁護士連合会は27日、「死刑制度の存廃について、国民的議論を行う上で十分な情報が公開されているとは言えない。死刑執行の基準、死刑確定者の処遇などの基本情報を公開することが必要」との談話を出した。石塚伸一・龍谷大法科大学院教授(刑事法)も「選手のいない野球場を公開するのと同じで、刑場の公開そのものには大した意味がないが、これをきっかけに情報公開を進めてもらいたい。死刑が適正に執行されたかどうか、本来は外部の人が立ち会って確認すべきだ」と話した。(読売8.28)

●裁判員候補者31万人 来年分

最高裁は31日、来年分の裁判員候補者名簿に載せる人数が全国で31万5940人になると発表した。現時点の有権者数に基づく名簿登載の確率は330人に1人。最高裁によると、候補者が最も多いのは東京、大阪両地裁(本庁)の2万7000人で、最も少ないのは松江地裁の1200人。名簿に載る確率が最も高いのは大阪地裁(同)で189人に1人、最も低いのは秋田地裁で664人に1人。来年の候補者総数は今年より2万8960人少なくなる。今年5月までの1年間の選任手続きへの出席率が平均82・6%と高かったことから、各地裁・支部が候補者数を抑えたのが減少の要因とみられる。(読売9.1)

●ジャージー姿「裁判員に予断」 被告にスーツ貸し出し 大阪弁護士会検討

大阪弁護士会の裁判員制度実施本部が、刑事裁判に出廷する被告に背広やワイシャツなどの衣服を貸し出す制度を検討している。法廷での被告はジャージー姿が多く、「厳粛な法廷にふさわしくない服装で印象が悪い。裁判員らに予断を与えかねない」というのが理由。外見の印象を良くすることで、量刑などへの不利な影響を排除したい考えだ。実現すれば、全国の弁護士会では初の取り組みになる。被告が法廷に出る服装に決まりはないが、足元だけは逃走防止のためサンダル履きが原則とされている。裁判員制度のスタートに合わせ、全国の拘置所は、被告が希望すれば着脱式のネクタイや、革靴に見えるよう足の甲を覆ったサンダルを貸し出している。大阪拘置所では8月末までに計48人が利用した。しかし、衣類については、下着やジャージー、作業服だけで、差し入れる家族などがいないと、背広姿での出廷は難しい。陪審制を導入している米国では、評決にあたる市民の目を意識して、被告に着せるためのスーツ類を用意している公設事務所もあるといい、同本部も検討することにした。近く刑事弁護を中心に活動する弁護士らに、▽被告から出廷時の服装の相談を受けたことがあるか▽どんな衣類が必要か——などをアンケート調査。需要を把握したうえで弁護士らから不要な背広などを募り、貸し出しを始める。同本部の栗林亜紀子弁護士は「被告は刑が決まっていない段階で必要以上の制約を受けるべきではない。身なりに気を配ることは一般社会の良識で、市民による裁判員裁判ではより大切になる」と話している。(読売9.2)

●犯罪被害者支援考える 鳥取で交流集会 弁護士ら140人出席=鳥取

犯罪被害者の支援について弁護士らが意見交換する「第12回犯罪被害者支援全国経験交流集会」(日本弁護士連合会、県弁護士会など主催)が4日、鳥取市の県民ふれあい会館で開かれた。中国地方での開催は初めて。「被害者参加制度」や、刑事裁判の裁判官が被害者側の賠償請求も速やかに審理する「損害賠償命令制度」の運用について課題などを報告した。集会には全国の弁護士や被害者支援センターの関係者ら約140人が参加。被害者参加制度について、兵庫県弁護士会の木村倫太郎弁護士は「被害者に対する検察側の説明やフォローが検事によって大きく違う。運用方針を統一し、被害者が利用しやすい環境を整えていくことが大切だ」と指摘した。パネル討論もあり、強盗殺人未遂罪などで起訴された男に対する裁判員裁判で、被害者側弁護士として県内初の損害賠償命令を申し立てた北舘篤広弁護士(県弁護士会)と、被告弁護人を務めた尾西正人弁護士(同)が発言した。北舘弁護士は「制度がなければ、被害者は賠償を求めることをあきらめていたかもしれない。メリットは大きい」と強調した。尾西弁護士は「身柄を拘束されている被告が、損害賠償の審理に向けて改めて弁護士を選任するのは困難で、本人だけで争っているケースもある。一定の支援が必要だ」と述べた。(読売9.5)

● 警部補の家族が県を提訴 「行き過ぎた聴取で自殺未遂」=群馬

部下にセクハラ行為をしたとして懲戒処分が検討された伊勢崎署の男性警部補(56)が自殺未遂を起こしたのは、県警監察官の行き過ぎた事情聴取が原因だとして、警部補の家族が県を相手取り、約2200万円の損害賠償を求める訴訟を前橋地裁に起こした。訴状によると、警部補は部下の女性巡査部長にセクハラをしたとして、昨年7月に懲戒処分の対象になった。同月、警部補が職場の備忘録に「死んでおわびをしたい」と書くほど悩んでいると知っていたにもかかわらず、監察官は同年8月と9月、2回の事情聴取で威圧的な尋問をし、執拗(しつよう)に辞職を強要、辞職する旨の上申書を出させた、としている。警部補は2回目の聴取が終わった数日後、精神科で「重度のうつ状態」と診断され、その約10日後、自宅車庫で首をつって自殺を図り、一命を取り留めたが意識不明の状態という。(読売9.7)