イタリアの受刑制度

ジョヴァンナ・メッゾジョルノ

2010年イタリア映画祭の出品作「ジュリアは夕べに出かけない」
登場人物は殺人罪で刑期を7年残している女性。
彼女は昼間プールで水泳のコーチをしていて、夕方には刑務所に帰らねばならない。そのプロットだけでも驚きだったのに、プールで知り合った男性に刑務所の前まで送ってもらう。
しかも許可があれば外泊もできる、と言う。

映画上映の後にジュゼッペ・ピッチョーニ監督(Giuseppe Piccioni)との質疑応答の時間があったので、「刑期途中で塀の外で仕事ができるということは日本では驚きなのだが、イタリアではそんな受刑制度があるのか」と質問した。
するとかなり丁寧に答えてくれた。要点を以下に記す。
・どんな重罪であっても判事が認めれば「半自由制度」を利用できる。
・目的は社会参加であり、社会復帰の準備である。
・ただ地域によってかなり違うし、判事の対応によってもまちまちである。
・「半自由制度」中の再犯があると、その制度そのものがメディアの攻撃の標的になる。

映画ではその女性が独房を希望し(!)、独房に移るのだが、独房にはテレビがある。これも驚いた。知り合った男性が刑務所内の女性に電話するところもあった。

カテゴリー: 映画 パーマリンク