7/8 横浜事件国賠 第3回口頭弁論 傍聴報告

2013年7月8日(月)、10:45-11:00東京地裁411号法廷で、横浜事件国賠の第3回口頭弁論が開かれた。東京地裁民事30部の菅野雅之、篠原礼、原彰一裁判官、そして、原告木村まきさん、原告代理人の森川文人、河村健夫、山本志都弁護士、被告国の代理人4名が出席した。傍聴席から20名が見守った。
菅野裁判長)開口一番、「ハイ、お待たせしました。お早うございます、それでは手続きを始めます」と今回も腰が低い。「被告国から準備書面(1)が出ています。陳述ということでよろしいですね。原告から準備書面2が7/5に出ています、陳述ですね」、「原告の準備書面2に求釈明がありますが、被告はどう対応しますか」
国代理人)準(1)で述べたとおり、それ以上の釈明の要を認めない。
山本弁護士)判決書の有無はこの訴訟の重要な問題。永久の保管義務がある文書であり、どのような調査をして確認できなかったのか明らかにして欲しい。
国)どのような調査したかは本件争点と関係しない、答える必要性がない。
山本)不法行為の重要な一部であり、答えるべき事柄である。
森川弁護士)国は準(1)で「焼却行為は、国の権力作用」としている。その根拠を明らかにして欲しい。
国)原告がそのような考えを主張・立証したら、必要に応じて、国は反論する。
裁判長)被告に答える姿勢が無いなら、それを前提として、原告は主張を展開したら良い。
山本)裁判所として釈明を求めて貰えないか。
裁判長)現在のところ、裁判所として釈明を求める考えはない。
山本)求釈明は取り下げず、必要な時に主張に加えて述べたい。
裁判長)取り下げる必要はない。前々回の弁論で原告は主張を数回に分けて述べると言ったが、次回弁論期日で可能か。
森川)準備を進め、できるところから展開したい。
裁判長)次回期日は、9/12(木)10:30~ 611号法廷とする。書面は1週間前の9/5までに。

閉廷後、隣の控室に移って、弁護団から今日の口頭弁論の解説や今後の予定などを伺った。
森川弁護士)判決書焼却の釈明は海野弁護士や森川金寿弁護士が再審請求で行い回答があった。それらに比べ、今回の国代理人の回答は酷い感じがする。証拠隠滅なのに…。今後、戦前の国家無答責、時効などの問題を主張する。
山本弁護士)裁判長は当事者主義を盾に、原告・被告の双方に闘わせている。しかし、力に差があり、証拠は国に偏在している。国は「確認できない」としか答えてこない。刑事再審でももう少し回答していたのにと思う。
河村弁護士)求釈明という方法から、今後は送付嘱託や文書提出命令申立などにより、追求の手を緩めないで進めたい。

裁判長は柔和な訴訟指揮に終始し、高見の見物を決め込んでいる感じが漂う。問われているのは戦中・戦後の司法全体を包む人権に対する犯罪である。自らの先輩たちの責任に向き合い、被害者への賠償を実現する覚悟は、今のところ見ることはできない。       (報告:磯部)

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